金融知識勉強会 ≪外部講師≫ 2016年

日付・講師 内容
セゾン投信代表取締役中野社長

   「金融行政方針から読み解く金融改革の本質」

 

  ・アベノミクス
   第一の矢 日銀による金融緩和
   第二の矢 機動的な財政政策
   第三の矢 成長戦略(産業構造改革)が現時点で行うとしている
        農業、医療、金融業界では既得権勢力が抵抗している。
        唯一金融だけは行政主導ですすんで改革をしようとしている。
  ・平成28年度金融行政方針
   1.金融行政運営の変革
    検査、監督の環境に合わせた見直し
    良質な金融サービスの提供に向けた金融機関の競争の実現
    金融庁の自己改革する組織に変革
   2.国民の資産形成を実現する資金の流れへの転換
    長期・積立・分散投資の促進
    金融機関の顧客本位の業務運営確立・定着
     機関投資家の運用の高度化
   3.金融機関のビジネスモデルの転換
    顧客との「共通価値の創造」
    新しい検査・監督
  上記の方針でセゾン投信を含む直販型投資信託が着目されるようになった。

記念パティー

 コモンズ投信の伊井社長の乾杯の音頭で10周年記念パティーが始まりました。
 用意された寿司・ピザパイ・おつまみに勉強会メンバー手製の差し入れもありました

 飲み物も用意したビール・ウイスキーに招待客からのワインの差し入れ、南魚沼市か
らの
 日本酒「八海山」の差し入れ、勉強会メンバーからの焼酎・日本酒の差し入れがあり
 夜遅くまで大いに盛り上がりました。

代表からの一言
悠々人生を送るには金融知識が必要として、その成果の金融資産を
活用しての各人の悠々人生を沢山見させていただきました。
この記念講演、パーティを持ちました金融知識勉強会として所期の目的を
果たしたと存じますますので定期開催を不定期開催にさせて頂きます。

 

 税理士 田中卓也講師
   「投資家のための税制改正解説」
  NISA制度の活用  
  年100万円から120万円に枠拡充
  ジュニアNISA制度が始まる 年80万円
   運用上贈与税非課税対象は年110万円以内であるが
   5年400万円とみなされると課税になるかもしれない
 国外転出時課税制度
  出国時に譲渡したとみなし譲渡益課税、NISAも同じ扱い
 FXが総合課税から申告分離課税になった
 特定公社債が非課税から申告分離課税とばる
  繰越控除、配当所得と譲渡所得の通算可
 個人型確定拠出年金
  加入範囲が主婦、公務員にも拡大
 通勤手当の非課税限度額引き上げ
  10万円から15万円
 マイナンバー導入の影響
  情報を集めたいのは「官」である
  証券会社の口座にはマイナンバーの提示が必要
  源泉徴収支払い調書にはマイナンバーの提示が必要
  相続課税で名義預金等が発見され課税強化  

代表からの一言
 マイナンバー制度は悪いばかりではなく所得捕捉率9(サラリーマン)
 6(自営業)4(農林漁業)1(政治家)の捕捉率是正になる
 
懇親会
 勉強会終了後26階のビューランジに場所をかえてビール、ワイン、ピート香のきい

ウィスキーを飲みながら懇談をしました、持ち寄りの酒類や差入れの手作り料理、神戸
コロッケ
があり食べきれずに持ち帰りをしました。
 
代表からの一言
 当会は年会費も無く数年ぶりに参加する方もいますのでご無沙汰の方又参加してくだ
さい
コモンズ投信   代表取締役社長&CIO 伊井哲朗 講師

「波乱の世界経済と長期投資」
 〜不確実性の高い時代を長期投資で乗り越えていく方法〜
1.G7サミット
波乱の世界経済でリーマンショック以降今年は一番厳しい
年初から株価は20%下落してその後やや戻した
サミットの準備は年初から始まる
日本の事務局は外務省で永峰ヘルパがテーマを含めて下準備
安倍総理は5月連休を含みイタリア(レンツエ首相)、フランス ベルギー、ドイツ(メルケル首相)
、イギリス(キャメロン首相)と会談
更にロシア(プーチン首相)ととも会談する
安倍総理は就任以来80か国訪問している(経済問題は外交で5割決まる)
世界経済IMF見通し(GDP伸び率)

2014年 2016年4月
日本 0.0 ▲0.1消費税延期0.3
米国 2.4 2.5
中国 7.3 6.2
先進国 1.8 2.0
新興国 4.6 4.6
世界 3.4 3.5

イギリスEU離脱     世論調査       残留53%   離脱 47%
               オンライン調査      41%       41%
               電話調査         58%        38%
               ブックメーカー      EU離脱   約5倍
       EU離脱リスク   GDP  ▲6%  失業者  ▲82万人  ポンド▲15%
                  インフレ  2.7%  賃金 ▲4.0%
G7サミット後の株価動向は追加緩和、景気対策を持って海外投資家が動く

2.世界経済の動き
 為替         通貨高は各国ともにやりたくない  結果として日本が円高につながる
 原油         所得推移に伴い新興国リスクとなり金融機関リスクにつながる
            原油価格 (バーレル) ピーク110$ 現在50$
            採算ベース サウジ10$ シェール50$ 中東20$ 
            石炭(19世紀) 石油 (20世紀) 天然ガス(21世紀) の流れとなる
 英国        EU離脱はあるか
 ギリシャ      コントロール下にある
 中国        外貨準備がプラスとなり、チャイナショックはない

3.新しい投資信託の時代
 モーニングスター投信評価
    A   米国 韓国
    A-   オランダ 台湾
    B+  英国
    C   カナダ タイ、ベルギー、ニュージーランド、フランス 香港、シンガポール、南ア
        スペイン
    C-  日本 イタリア
    D+  中国

評価基準 販売手数料、運用費用、ファンドマネジャ開示 総経費率 
投信純資産総額   日本 100兆円 オーストラリア 200兆円
日本の税制  NISA、確定拠出年金拡充がされている
相続による資産移転 今後10年間毎年50兆円、累計500兆円が動く

4.コモンズ投信現状と方針
 コモンズ30は84か国連続純流入が続いている
 世界人口推移推計では2100年ピークまで増加する
 世界の名目GDPは(5〜7%/5年)成長する
  ex  スイス マイナス金利  家計資産を増やすには大手企業ネスレに投資する
                    99%はスイス以外の売上である(世界の成長を取り込む)
 コモンズ30では30社中 10社は海外売上比率70%
                 19社は海外売上比率50%

代表からの一言
 コモンズ投信は国内株式投信ではあるが実質世界に分散投資をしていて安定した収益が
 期待できます
   


エモリキャピタルマネジメント株式会社 代表 江守 哲 講師

「世界経済・金融市場の現状と株価・為替・金・原油相場の行方」
日本商品先物振興協会の小島氏からエモリキャピタルの江守講師の紹介があった

1.日米欧の中央銀行の政策内容
  ECB  政策金利年0.005%から0%へ、中銀預金金利はマイナス0.4%
       量的緩和月額800億ユーロに拡大
       高格付け社債買い入れ
 日銀   マネタリベース80兆円金融市場調整
       長期国債年間80兆円買い入れ
       ETF保有残高年間3.3兆円買い入れ
       J−REIT保有残高年間900億円買い入れ
       CP等2.2兆円 社債3.2兆円残高維持
       日銀預金金利はマイナス0.7%
 FRB    政策金利据え置き0.25%
        利上げペース 16年2回 17年4回 18年4回
        物価指数インフレ率  16年Q41.2% 目標2%は18年Q4
   FRB関係者による利上げ予想は2015/12から2016/3時点で下方修正

2.米国大統領選挙年のダウ平均株価
  政権政党が交換すると物価は下がる

3.米国株取引初日下落ケース

  
1937 2008

    2016

取引初日下落 -1.46% -1.44% -1.53%
年末まで下落 -37.7% -37.6%

年始/年末予想は危険な傾向にある

4.S&P500採用銘柄の動向
  400銘柄以上が上昇、下落した回数が多い年は株価の上下が激しい
    1990〜2006   年平均  5回
    2007〜2011  年平均   50回
    2015〜2015   年平均  28回
     2016〜     年率換算  61回
ISM製造業・非製造業景況指数とS&P500前年比と非常に一致する
新規失業保険申請件数とS&P500とは逆相関にある

5.ダウ平均株価の推移
 ダウ平均株価と米国マネタリーベース増減は相関する
 ダウ工業株30種平均に対してダウ運輸株指数は3〜6か月の先行指数となる

6.ドル・円の推移
 米国利上げ後と3年サイクルで円安、円高となる(102円まで行くかも)
 日経平均株価とドル・円の関係(アベノミクス相場での相関)
  
 ドル・円  日経平均
  120円 18810円
  110円 16430円
  100円 14050円
  90円 11680円
  80円 9310円

7.平均株価の推移
 円建てダウ平均と日経平均株価は相関する
 外国人は1〜3月は売りこし
 日経平均株価は17000円以上は割高、12000円割れで買い

8.株式とコモディティ
 世界株式とコモディティ・レシオは同じ動きをする
 昔の常識は通用しない(相関関係はない)
 4年上昇4年下降を繰り返している
 2017年は下降パターンに入るかもしれない

9.金相場の推移
 250$から始まりピーク1920$
 1920$から半値1085$まで下落
 1085$から半値戻しは? (1500$)
 金ETF 2014〜2015年  資金流失額  89億$
      2016年       資金流入額  94億$
株式投資から金は割安なので金投資に資金は流入し始めた

10.原油価格の推移
  WTI原油   ピーク  140$/バレル 現在40$/バレル
 専門家予測       30$〜50$/バレルが多い
  IEA世界石油需要予測
   2016年 日量   110万バレル供給過剰
   2017年       10万バレル供給過剰
   2018年        40万バレル供給不足
   2019年以降     120万バレル毎年供給不足

米国原油生産
  リグ稼働率   ピーク   1600基から400基まで減少
           生産効率の良いリグのみ稼働
 原油生産量   950万バレル前後を維持している(減っていない)
金/原油レシオ
 レシオ過去平均16倍 現在40倍で原油は安すぎる
 金価格   1200$とすると原油価格は75$してもおかしくない

代表からの一言
 過去のデータを分析して明確な傾向を解説していただき今後の投資の参考と
 することができました       

   
 

 

  
   

レオス・キャピタルワークス 代表取締役社長 最高投資責任者 藤野英人 講師

「2016年の相場見通しとひふみ投信の現状」
ひふみ投信は2008年運用残高1.5億円顧客69名から始まり
 2015年運用残高1200億円となる
 最高投資責任者 藤野氏はファンドマネジャ25年の経験だけで
 はなく自らベンチャ企業の立ち上げ経営者もしている
  例 ウオータダイレクト 設立 2006年 2013年マザース上場
    デモ販売と訪問販売の直接販売(投信直販も同じモデル)
 未上場企業投資 11社中4社上場済み 内2社の役員をしている
  例 投資先企業
    八面六ぴ  鮮魚業界のアマゾンを狙う
    ヒーローズ 将棋対局ソフトボナンザを開発、AI関連として投資
    JINS  ジーンズを加工して着古した状態にする技術でトップ
 ひふみ投信は国内株式型投信で連続4年ファンド大賞を受賞している
 受賞は単なる偶然ではなくある基準で投資をした結果である
 2002年上場企業の70%は過去10年で株価2倍、売上利益2倍但し大企業は少ない
 有名大企業は攻めの投資をしていない(経営者の在任期間が短い)
 東芝と類似な経営をしている大企業には投資しない
 元気な会社は東証2部、JASDAQに多い(社歴が短く、社長が若い)
 成長企業の選択は企業成功要因
   意思決定が明確、目標が長期、顧客目線の経営
 株価は長期的に利益と一致するのでEPSを重視している
 投資は増収、増益企業にするが必ず会社訪問で評価している
 年商3000億円を超えると成長が止まる企業が多い
             
代表からの一言
 自らベンチャー企業を立ち上げて成功した経営者であり、
 かつ、ファンドマネジャあるので内容の濃い講演でした
ベスト・コンサルティング・プランナーズ CFP  佐藤栄一 講師

 「知っておきたい最新の金融技術を使った商品」
T 金融技術はデリバティブ取引や先物取引から始まり
   金融技術革命により証券化商品、REIT、電子マネー
   金融EDIまで進んだ
 U リーマンショックは再び起きる?
   サブプライムローンに始まりアメリカ金融危機から
   ヨーロッパ・アジア金融危機が起きた
   原因と言われた金融ビジネスモデルや証券化、デリバティブ
   レバレッジを使う投資銀行のビジネス・モデルに原因があると
   言われているが真の原因は基軸通貨米ドルの弱体化、金融規制の
   あり方と市場の不透明さである
   金融機関も健全になり金融当局も金融危機に備えてきたので
   当面は再び起こらない
 V 無責任な投機
   投資銀行、ヘッジファンドは有限責任の法人で利益の配分は
   株主、経営者に儲けを優先して分配して、損失が出ても責任の
   追求が出来ない仕組みである
    例 MGRM(1993 ドイツ)石油先物 10億$損失
      P&G グリーンティング・カード 数千万$損失
      パイパー・ジェフリー・ファンド 中期国債 50%損失
 W 証券化とは
   対象資産、債権を小口化・定型化して有価証券として自由に売買する仕組
   証券化は将来予測によるキャッシュフローと資本市場を結ぶ金融工学技術
   証券化の格付は金融庁が信用格付業者登録制度を2010年創設
    外資系 ムーディーズ・S&P・フィッチ
    国内  格付投資情報センター(R&I)・日本格付研究所(JCR)
 X REIT(不動産投資信託)2000年に解禁された
   不動産の証券化により企業の資金調達手段が増える
   個人投資家は少ない資金で不動産に投資できる
   市場でいつでも売買できる
 Y 債権の証券化とコーポレートファイナンス
   企業向け貸出(融資債権)やローン債権、リース債権、ノンバンク債権等
   を小口債権として販売する
    例 大手メガバンクがオーストラリアで住宅ローン債権の証券化
 Z ヘッジファンドとは
   運用資産300兆円前後でハイリスク。ハイリターン狙いのファンドが多い
   空売り・デリバティブを組み合わせ株式・債券・為替・商品に投資する
   高度の金融工学を使い下げ相場でも運用リターンを得る
   需給分析の商品ファンドは運用停止に追い込まれた
 [ 仕組債(株価連動型債券)
   例 日経平均リンク債 年 5〜7%のリターン
     ただし、日経平均が10%以上下がることがなければ全額償還される
     一度でもノックインをすればその時の日経平均で償還されるので
     大きな損失発生の可能性がある            

代表からの一言
 歴史は繰り返すので投機と恐慌による金融危機は忘れたころに起こる
 理解できない金融商品には手を出さない

 

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